SSH 活動の記録

タグ:ブナ林研修

1年SSブナ林研究発表会・表彰式が行われました

日   時: 令和2年9月23日(水),10月15日(木)

場   所: 物理実験室

対 象 生 徒 : 1年SS選択生徒

 

1年SS選択の生徒によるブナ林研究の発表会と表彰式が行われました。

今年度は毎年実施していた「エア研究」に代わり、夏季休業中に実施した「野外研修」を通して、決められたテーマに沿って班ごとに調査・研究を行い、ブナ林に対する理解を深め、その内容を生徒自身がポスターでまとめて発表を行いました。担当教員による指導のもとポスターの作製と練習を行い、本番に臨みました。

生徒たちは緊張した様子でしたがどの班も熱心に発表を行い、教員による審査と生徒による投票の結果、以下のテーマについて発表した班が表彰されました。

順位 テーマ
ベストポスター賞 多様性をもたらす遷移
グッドポスター賞 遷移におけるブナ林とギャップ

グッドポスター賞

ベストオーディエンス賞

ユビソヤナギについて
ベストオーディエンス賞 只見の生物多様性について

 

発表会の様子①発表会の様子②表彰式の様子①表彰式の様子②

R2年度 SSH野外研修 天候にも恵まれました

日  時: 令和2年8月1日(土),2日(日)

場  所: 只見町 田子倉ダム・只見町ブナセンター・ユビソヤナギ自生河畔林・恵の森

対象生徒: 高校1年生 SSH産業社会SSHコース選択生徒40名

 

 長かった梅雨が明け、夏らしい天候の中、1泊2日で野外研修を実施しました。講師には,事前研修に引き続き新国勇さん,加えて只見町公認インストラクターの渡部和子さん,高原豊さんにもお世話になりました。研修の内容は次のとおりです。

1日目

・田子倉ダム

自然環境と電源開発についての講義。 ダム湖の景観を観察しながら雪食地形についての学

習。

・只見町ブナセンター

只見町の概要。豊富な展示資料をもとに只見町の植生、動物の生態についての学習。特別に生きたサンショウウオのアルビノを見せていただいた。

・ユビソヤナギ自生河畔林

3種類(ユビソ・オノエ・シロ)のヤナギの葉の違いによる分類方法の学習および実習。

 ヤナギの分類の説明河原でヤナギの分類の実習

 

・ブナ林

ブナの木の観察。偶然ヤマナメクジの交尾に遭遇、ナメクジの生殖について学習。

 ブナの幹はちょっと冷たい

 

・セミナー(夜の研修)「森林の見方」

人工林・二次林・自然林について・森林の遷移・階層構造についての講義。ブナ・コナラ・ミズナラの葉の違いによる分類方法と実習。

・星の観察会

天候に恵まれたので急遽実施したが、月夜で条件が悪く、夏の大三角形の確認で終わった。

 

2日目

・恵の森

布沢川の沢沿いの森の観察。ギャップ更新の観察。前々日の雨のためやや増水していた沢を渡渉しながら森の観察。

 沢を遡り森に入るブナの木の前で滝の上での集合写真

 

生徒の感想(実施後の生徒アンケートより)

・Sustainabilityについて詳しく説明があったこと。

・只見の研修に行く前に、只見の自然や地球環境について知れたこと。

・環境問題について、人間の今後の課題について理解を深めた。

・他県の自然でなく、福島県内(自分たちが住んでいる県内)についての自然を学べたこと。

・実際に自分で、ユビソヤナギを見つけたり、ブナの木をさわれたりできたこと。

・事前講義で学んだ内容を実際に観察できたこと。

・フィールドワークがたくさんあったこと。

 

初めての1泊2日での野外研修でしたが、生徒アンケートにもあるように時間に余裕をもって研修プログラムを実施することができ、充実した研修を行うことができました。

 研修内容を計画する際に只見町文化財調査員の新国勇さんに協力していただき、大変お世話になりました。この場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。

 

R2年度 SSH野外研修 より深い学びのための事前講義

日   時: 令和2年7月29日(水)

場   所: 本校物理実験室

対象生徒: 高校1年生 SSH産業社会SSHコース選択生徒40名

 

 今年度のSSH野外研修は新型コロナの影響により時期を8月にずらし、また毎年夏季休業中に実施していた夏の科学研修も兼ねて1泊2日の日程で只見町で実施することにしました。 

 野外研修に先立ち,7月29日(水)には、より深い学びのために事前講義を行いました。講師には只見町文化財調査員の新国勇さんをお招きしました。新国さんには、只見町で野外研修を行うようになってから引き続き講師としてお世話になっています。

 講義では只見町の概要、只見町のユネスコエコパーク指定とその意義についての話があり、研修地の只見町の自然環境が世界に誇ることのできる貴重な自然遺産であることがわかりました。

 また、環境活動家グレタ・トゥーンべリさんの演説動画と新国さんのわかりやすい説明により、Sustainability(持続可能性)の視点から次の世代に環境を引き継ぐことの重要性について学びました。

 研修後の生徒アンケートの結果から,事前講義により野外研修の内容の理解が深まり、充実した研修ができるようになったことがわかりました。何事においても,「予習」は大切なのだと改めて感じました。

 

講師の新国さん

 

参考

ユネスコエコパーク(生物圏保存地域)について

 ユネスコエコパーク(生物圏保存地域)は、生物多様性の保護を目的に、ユネスコ人間と生物圏(MAB)計画(1971年に開始した、自然及び天然資源の持続可能な利用と保護に関する科学的研究を行う政府間共同事業)の一環として1976年に開始されました。
 ユネスコエコパークは、豊かな生態系を有し、地域の自然資源を活用した持続可能な経済活動を進めるモデル地域です。(認定地域数:124か国701地域。うち国内は10地域。)※2019年6月現在世界自然遺産が、顕著な普遍的価値を有する自然を厳格に保護することを主目的とするのに対し、ユネスコエコパークは自然保護と地域の人々の生活(人間の干渉を含む生態系の保全と経済社会活動)とが両立した持続的な発展を目指しています。

 認定地域は、域内の自然の成り立ちや、そこに育まれた歴史文化に対する理解を深めるほか、地域づくりの担い手を育成することが期待されています。また、世界ネットワークの一員として、認定地域同士の学び合いを通じてさらに取組みを進めることが求められます。