SSH 活動の記録

SSH野外研修

日  時: 令和3年7月10日(土)~11日(日)

場  所: 福島県只見町 ただみ・ブナと川のミュージアム、癒しの森、余名沢ブナ林

対象生徒: 高校1年SSコース選択者 52名

 

 7月10日(土)~11(日)の1泊2日で、ブナ林野外研修を実施しました。梅雨空の実習でしたが、心配された雨もほとんど降ることなく実施することができました。今回の実習は、只見町ブナセンターの館長 紙谷智彦さん、主任指導員 中野陽介さん、指導員 太田祥作さんにご指導、ご協力いただきました。本当にありがとうございました。

 

【7月10日(土)】

 午前中は、ただみ・ブナと川のミュージアムの館内を案内していただき只見地域の自然環境、野生動物、地域の生活文化について学びました。午後は、癒しの森に場所を移しブナ天然林と、かつて薪炭材生産により伐採され、再生してきたブナ二次林の違いついて観察し、植生断面図を描きました。植生断面図を描くことで、森林の構造を理解することができます。また、翌日行われる毎木調査で必要な葉の見極めをするために、それぞれの葉の特徴を学びながら下山しました。宿に到着し夕飯・入浴を終えたあと、22種類の葉を見極める実習を行いました。事前研修から何度か行っているので、徐々に慣れてきているようです。

 

ミュージアム見学ブナ林実習①葉っぱの見極め

 

【7月11日(日)】

 朝は大粒の雨が降り続いていましたが、実習の時間になると奇跡的に雨があがりました。余名沢ブナ林は狭い範囲で「落葉広葉樹二次林」「ブナ二次林」「ブナ天然林」「スギ人工林」が観察できる大変貴重な場所です。それぞれの林に20m×20mの調査区を設定し、班ごとに分かれ毎木調査をおこないました。調査目的は、異なる種類の森の天井「林冠」を構成する高木の種類や大きさ、林冠のギャップと林床に生育する低木の種類や高さとの関係を調べ、林床樹木の多様性と光環境との関係を考察するためです。これらの調査データを持ち帰り、学校で調査データ分析をし、ポスターを作成し発表します。

 班員と役割分担をし、効率よく作業をおこない、予定時間よりも早く終えることができました。昨日までの葉の鑑定方法の技術がここで大きく役立ちました。教科書や講義を通して覚えた内容を実際に見ることで、森の構造をより深く理解することができました。環境保全という側面からも、今回の実習から得ることが多かったと思います。

 今後、データをまとめ、さらに森の種類や林冠のギャップと林床樹木の成長や種類、多様性との関係を明確にしていきましょう。ポスター発表まで頑張りましょう!

コナラ林ギャップから覗く青空スギ林胸高周囲長の計測低木調査ブナ林

 

【生徒の感想】

  • 改めて只見の自然について自分の五感で知ることが出来た。文面だけでは分からないこと等について知ることができたので良い機会だった。林の中で生きる様々な植物がどのように移り変わっていくのか、1つの出来事が色々なことに影響していたりなど、興味深いことが多かった。 天気は悪かったが、班のメンバーと協力し合いながら、役割を遂行していく上で協力性なども成長できたと思う。

  • 何をするにも体力が必要だからもっとつけないと、と思った。自分一人ではできないことでも、みんなと協力することでできたから、協力することは大事だなと思った。

  • 人々の生活と森林は深く関わっていることが分かった。実際に森や林に入ってみると、原生林と二次林の違いや、きのこなどの菌類の大切さがよく分かった。人の手を加えることは完全に悪いとは言えないけど、人の手が加わることによって自然が変わってしまうと体感した。学んだだけで終わらせずに意識して生活したり、ポスターなどに生かしていきたい。